ツイドールのうちの子置き場です。
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「・・・しのぶ、別れよう」
そう切り出されたのは何回目、いや何人目だったっけ。いつも、こうだ。告白してくるのも、フるのも、いつも相手の方から。
「うん、わかった」
大人しく頷くと彼氏だった大学生は一瞬きょとんとしてそれから苛立ったような顔になって、「じゃあ、これで」と足早に目の前からいなくなる。いつもと一緒。
好きだ、可愛いね、素敵だよ、愛してる。そんな風に言ってくるのに、なんでいつも捨てられてしまうのか。わたしは貴方たちの理想の恋人でいようとしただけなのに。貴方たちがして欲しいことをして、貴方たちの来て欲しい服を着て、貴方たちが欲しい言葉を紡いで。全部受け入れて、全部与えてたのに。
「理想過ぎてつまらない」?
じゃあ、一体わたしにどうしろっていうの?
わたしを好いて欲しい、拒絶しないで欲しい、ひとりにしないで。周りから拒絶されないように、自分を飾って、周りに同調して、それなりに馴染んでいるのに、恋人となると長続きしない。いつも、いつも。
だからわたしは恋愛なんて刹那的なものだと思う。
ただ周りから浮かないように、定期的につくるもの。
恋だの愛だの名前をつけても、ただの一時的なブームみたいなもの。無駄。
「俺、しのぶちゃんの事、前からいいなって思ってたんだよね」
「本当?…じゃ、付き合っちゃう?」
もう何回繰り返したかな、このくだり。
今度はいつまで続くかな?
そう思いながら新しい彼氏の腕に収まった。ああ、あたたかい。
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